ドキュメンタリー監督 海南友子さんに聞く

明細書に電気の種類を

ドイツを訪ねてびっくりしたことがあります。それは電気の使用量明細書。毎月の電気使用量や料金などのほか、裏面には、その電力会社が発電している電力の構成がー火力25%水力40%、風力15%、太陽光20%という具合です。

ドイツでは、値段が安いか高いからという基準だけでなく、どのような電気を使用したいかで電力会社を選べるのです。

ドイツで大きな転換となったのは、1991年に「再生可能エネルギーから生産した電力の公共電力への供給に関する法律(電力供給法)が施行されたことでした。これにより送電網を保有する大手電力会社に対して、再生可能エネルギーの引き取りと固定価格での買い取りを義務化したのです。

旧東独の電力不足解消と地球温暖対策の実現に向け、小水力発電の電気を買い取ることが目的だったため、大きな反対はありませんでした。しかし実際は、この法案の成立によって北部ドイツで急激な風車ブームが起きたのです。その数は5年間で1577基。ほとんどが農民たちの手によるものでした。

現在、ドイツにはさまざまな規模の電力会社が900以上もあります。それぞれが多様な料金設定を行っており、電力比較サイトを使えば、自分のライフスタイルにあった電力会社を簡単に選択することができるのです。

市民出資の風車も多数

ドイツでは、市民が出資している風車や自然エネルギーの会社がたくさんあります。これらは投資の一つとして考えられており、自然にも優しく、しかも儲かると、人気が高まっています。

その一つ、るシェーナウ電力会社は、ドイツ全土に15万世帯の顧客を抱える国内有数の自然エネルギー会社。とはいえ、大企業の運営ではなく、ママ達が起こした会社です。

きっかけは、チェルノブイリ事故でした。ママ達が集まり、子供たちのために何ができるかと話しあったといいます。何を食べさせたらよいか、公園で遊ばせても大丈夫かなど。次に行ったのは、チェルノブイリ事故で汚染された地域の子供たちを一定期間受け入れて、健康を回復させるという取り組みです。

その後、電力会社の話に。原発は怖くて使いたくない、しかし、大手電力会社はやめる気はないようだし、一体どうすればいいのか。結局、安心できる電力会社を自分たちで起こすしかないと。

いくつもの困難がありましたが、大手チョコレートメーカーが大口顧客になってくれたり、銀行員は資金を集めるための金融商品を開発し2ヶ月で億単位の資金が集まるなど、さまざまな支援を得て現在に至っています。

理念や観念だけではなく、実際の生活に根付いていて、経済的にも循環しているというのがドイツの自然エネルギーの特徴です。

 

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